“アバター:ウェイ・オブ・ウォーター” ★★
Avatar:The Way of Water
(2022年アメリカ映画)

監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン、リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー

出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガーニー・ウィーヴァー、スティーヴン・ラング、ケイト・ウィンスレット、クリフ・カーティス、ジェイミー・フラタース、ブリテン・ダルトン、トリニティ・ブリス

 

アバター」の続編。
今回の舞台は、森を出て海へ。予告編から観た海の風景の美しさに魅せられ、観る前からワクワクしていました。

今回ストーリィも、平穏なナヴィたちの世界を侵略する地球人たちと、元海兵隊士で今はナヴィとなったジェイク・サリーたちの戦いを描く、壮大なSFスペクタクル。

地球の終焉が近付き、惑星パンドラの植民化をめざす地球人。その障害となるのは当然ながら先住民のナヴィたちという訳で、前回ナヴィたちのリーダーとなって地球人兵士を敗北させたジャック・サリーがまず攻撃の目標とされます。
そのリーダーとなるのが残忍な性情の海兵隊元上司、自らもジェイク・サリーと同様、アバターを使ってナヴィに姿を変え、サリーたちを狩ろうとします。

一方、サリーとネイティリも今や4人の子の親となっており(一人は養子)、家族の安全を図るためリーダーの座から降り、一家で森を出、海の部族の元に身を寄せます。
初めて経験する海の部族の暮らしに戸惑いつつも次第に順応していくサリー一家でしたが、地球人兵士たちの魔の手がそこにも近付いてきます。

前作の神秘的な森の世界の代わりに、本作では新たに広大な美しい海洋の世界が描かれます。そこは映像の見事さもあって、景色の美しさを堪能できます。それが前半での見どころ。
そして後半では、戦いの火蓋が切って下ろされ、サリーの子供たちも巻き込みながら、前作以上の熾烈な戦闘シーンが繰り広げられます。

海洋世界の美しさの一方でやはり強く感じさせられるのは、侵略者の横暴、残酷さです。ナヴィたちを同じ人間と看做しておらず、獣同様に見ているからのことでしょう。
北米大陸におけるインディアンと白人の関係、日本におけるアイヌと大和民族の関係等々を思い起こさせられるのは前作どおりですが、今回はウクライナに対するロシア、プーチンの横暴かつ非道な振る舞いぶりも連想します。

ただ、見知らぬ世界を知るという魅力は、前作の方が遥かに上だったように感じますが、それは続編ですからやむを得ないところでしょう。
また、今回は家族の繋がりという処に視点が強く当てられていますが、主役のサリーが家族の安全を考えるあまり、リーダーとしての責任を放棄している、弱気になっているような印象があり、ちょっと気になるところです。
なお、私は2Dで観ましたが、3Dで観たらどのくらい違うもののか、それは体験していないので何とも言えません。

本シリーズ、今後7、8年を掛けて計5作で完結の予定だそうです。今後の作品も多分、観に行くことでしょう。

2022.12.18

       


  

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