オスカー・ワイルド原作の戯曲「ウィンダミア卿夫人の扇」の映画化作品だそうです。
どうりで、最初は避暑地の浮気騒動らしいということで嫌気が差したのですが、後半になると思いがけない秘密が明らかにされ、さらにクライマックスではこうした男女関係を描いた作品とは思えないようなスリリングな展開。
扇をネタにしたこの展開の見事さ、原作に脱帽です。
南イタリアの避暑地に出向いた、若いメグとロバートのウィンダミア夫妻。まだ結婚して1年という新婚ホヤホヤのうえに、妻のメグはまだ21歳と初々しい。
その避暑地に現れたのは、金持ちの男を次々と餌にしてきたと悪評高いアーリン夫人。
そのアーリン夫人の元へロバートは頻繁に通い初め避暑地客の中で評判になりますが、知らぬは若くて純真なメグばかり。これ幸いとばかりに、プレイボーイのダーリントン卿がメグに言い寄っていきます。
そしてついにメグが、アーリン夫人とロバートとの関係に気づいたとき・・・
見所は、男性経験豊富はアーリン夫人と若いメグとの対比。
若く初々しいメグに対し、アーリン夫人は妖艶な色気を振りまき、まるで若さをテクニックで凌ぐかのようです。
スカーレット・ヨハンソンとヘレン・ハントという配役の組み合わせが、実にこの2人にぴったりです。
そして、単にロバートの浮気とメグの転落の危機と思っていたストーリィに思いがけない展開が待ち受けている。
純真なメグを人生経験を積んだ女性アーリン夫人が庇うという、新たな展開が繰り広げられます。
原作が文学作品であるだけに見応えのあるストーリィ展開が楽しめますが、私が本作品を観た理由は、単純にスカーレット・ヨハンソン主演だったから。
それだけの理由だったのに、予想外の面白さを味わえました。
スカーレット・ヨハンソン以上にヘレン・ハントの達者な演技がお見事。
2006.05.06
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