1932年に死去したブロードウェイの名プロデューサー、フローレンツ・ジーグフェルドへ捧げたオムニバス・ミュージカル映画、ということらしい。
今は天国にいるジーグフェルドが、自分の作り出したショーの数々、ミュージカル・スターの面々を回想していくという設定です。
冒頭、人形たちを使って人々の群がる華やかな場面を演出しているところが、粋なところ。
回想とあって数々のスターが登場する訳ですが、ファンであるかどうかで面白みは当然変わってきます。退屈に感じる章もあれば、これは絶対目を離せないという章もあり。
本作品の中で中心と言うべきなのはフレッド・アステアでしょう。3つの章に登場してダンスを繰り広げています。
その内、最初の2章はいずれもルシル・ブレマーが相手。ルシル・ブレマーというダンサー、出演作は少ないままに終わってしまったようですが、最初の方、アステアと2人で優雅に踊るダンスシーンは、まさに芸術作品と言いたいほど美しい。これは観る価値大です。
もう1章は舞台を中国という設定にしたようで、アステア、ブレマーが中国人、中国美女に扮して踊っていて、興味深い。
そしてアステアの3度目の登場は、これこそ私が本作品を観たいと思った理由で、唯一ジーン・ケリーと組んでのダンスが繰り広げられます。2人のファンとしては、観ずにはいられなかった場面です。
その他で注目したのは、ジュディ・ガーランド。やはり芸達者ですな、彼女は。惚れ惚れとしました。
2012.02.18
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