“踊る海賊 ★★
THE PIRATE
(1948年アメリカ映画)

制作:アーサー・フリード
監督:ヴィンセント・ミネリ
脚本:アルバート・ハケット、フランセス・グッドリッチ、アニタ・ルース他
出演:ジュディ・ガーランド、ジーン・ケリー、ウォルター・スレザック、グラディス・クーパー、ニコラス・ブラザース

    

「ザッツ・エンターテイメント」等でこの映画を部分的には幾つものミュージカルシーン見ているのですが、部分は結局部分にしてどんな作品なのか判らないまま。今回全てを見てようやくこうした作品かと判りました。

舞台は19世紀カリブ海の植民地。
ジュディ・ガーランド演じるマニュエラは、何故かカリブ海を荒した海賊マココに想像上の恋をしている娘で、ちょうど植民地で一定の権力を持つ市長の中年男ドン・ペドロと養父母の斡旋で婚約が成立したところ。。
折しもその地にやってきた旅役者の一団、その一員がジーン・ケリー演じるセラフィン。マニュエルに出会って一目惚れ。何とか恋を叶えようと、自分が海賊マココのように振る舞うのですが、それがとんでもない事態を招き・・・。

主演の2人、いかにもジーン・ケリーらしく、またジュディ・ガーランドらしいのですが、特にジーン・ケリーの若々しさが印象的。
そしてミュージカルとして本作品について特筆すべきことは、マニュエラの想像の中でジーン・ケリーが海賊に扮して勇壮に踊りまくるシーンでしょう。これは火を思い切って使っていて迫力満点、他のミュージカルでは観られないシーンでしょう。
一方のジュディ・ガーランド、MGMミュージカルでは欠かせないスターの一人ですが、私が実際に観ている作品は余りなくて、「オズの魔法使い」「イースター・パレード」程度。彼女のどこにミュージカルスターとしての魅力があるのかと今回考えてみましたが、スケールの大きな歌以外に、コミカルな演技ができる、そうした演技に向いているところではないかと感じた次第。

作品としては名作という程ではないにしろ、勇壮なミュージカル・シーン、ジュディ・ガーランドの持ち味が楽しめる作品として、充分楽しめました。


2013.04.14

 


 

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