“私を野球につれてって ★★
TAKE ME OUT TO THE BALL GAME
(1949年アメリカ映画)

制作:アーサー・フリード
監督:バスビー・バークレイ
脚本:ハリー・テュージェンド、ジョージ・ウェルズ
出演:ジーン・ケリー、フランク・シナトラ、エスター・ウィリアムズ、ベティー・ギャレット、エドワード・アーノルド

    

躍る大紐育」「錨を上げて」に続く、ジーン・ケリーとフランク・シナトラのコンビによるニュージカル。
しかし、プロ野球(創生期の大リーグ)とミュージカルの組合せとはなぁ・・・相当無理があるという感じ。

優勝候補のウルフズ。キャンプインが始まったというのにパッとしない。原因は肝心の二遊間コンビ、オブライエン(ジーン・ケリー)とエディ(フランク・シナトラ)がまだ参加していないため。その2人が何をしていたかというと、唄とダンスで舞台に立っていたというのですから、相当に無理矢理なストーリィ設定。
そのウルフズに新しいオーナーがやってきます。皆が驚いたことに、なんと新オーナーは若く美しい女性のキャサリン・ヒギンズ(エスター・ウィリアムズ)。その新オーナーは門限遵守、礼儀正しくとやたら煩い。自由奔放に振る舞っていたオブライエンはとくに反発し、エディをけしかけて恋に落ちさせ、骨抜きにしようと企む。ところが思惑と違って恋に落ちたのは、当のオブライエン自身とキャサリン、という次第。
しかし、ウルフズが優勝を逃すことに大金を賭けた人物がいたことから・・・。

プロ野球とミュージカルを無理矢理こじつけたところがある所為か、ストーリィ的にはかなり稚拙。
しかし、ジーン・ケリーの踊りは相変わらず歯切れが良く、個性豊かで楽しい。ジーン・ケリーのファンとしては、ジーン・ケリーが存分に歌い踊るだけでも嬉しいことこの上ありません。
もうひとつの魅力は(やはり私がファンだからこそですが)、エスター・ウィリアムズの共演。
彼女は元々水泳選手で、MGMミュージカルへの出演は水中レビューが中心。それ以外の作品への出演となると、私はサスペンスものに準主役で出演したのを観たことがあるだけです。
そんな彼女の経歴にもかかわらず、本作品においてジーン・ケリー相手に唄、踊りとそつなくこなしています。前半、キャサリンが夜のプールで泳ぐシーンがありますが、幾らなんでもこれは余計。それより、本編ではカットされていますが(DVDでは付録についている)、エスター・ウィリアムズが人形の如くにジーン・ケリーとともに躍る“ベビー・ドール”を観ることができたことが嬉しい。

ストーリィについては評価しないものの、ジーン・ケリーとフランク・シナトラ+エスター・ウィリアムズに見応えがあって、やはり楽しいミュージカルです。


2005.08.12

 


 

to 映画note Top     to クラシック映画 Index