“スイング・タイム(有頂天時代)” ★★
Swing Time
(1936年アメリカ映画 RKO)

監督:ジョージ・スティーヴンス  
音楽:ドロシー・フィールズ、ジェローム・カーン 
主演:フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース

 

アステア・ファンの方から頂いたビデオで観た作品。テレビのロードショーの録画でした。吹替え付。
この作品はストーリィがはっきりしなくて、不明瞭な部分が多いです。また、アステアの演じるラッキーことジョン・ガーネットも、好感がもてるとは言い難い役柄。
金持ちの娘と婚約したラッキーが、その父親と約束した金儲けを果そうとニューヨークに出て来ます。そして出会ったのが、ジンジャー・ロジャース演じるダンス教室のダンス教師、ペニー・キャロル。
ダンスで2人は意気投合しロマンスに発展する訳ですが、他の作品に比べると、女性であるペニーがラッキーに劣らず恋に積極的なところが印象的。
但し、今回、アステアが演じるラッキーは、賭博好きの父親というコブ付であるのが特徴。そのコブの印象の悪さもあって、ストーリィとしては納得できないところがあります。
アステア・ロジャース2人のダンスは、ワルツにのってのダンスもあり、“優雅”というより、“華麗”という印象が残ります。
また、何よりこの作品は、アステアが顔を黒く塗り、服装も黒人風にした「ボージャングルズ・オブ・ハーレム」というナンバーが圧巻! 一列に並ぶ大勢の女性を相手にsアステア1人でダンスするというアイデアも圧巻ですが、アステア自身の3つの巨大な影と一緒に踊る場面は、迫力満点で忘れ難い場面です。
作品としての質はちょっと劣りますが、アステアの黒塗りナンバーはそれだけで充分見る価値あり。
それと、ダンスシーンはありませんが、ペニーとラッキーの雪降る山中でのラブシーンが忘れ難い。

2001.05.05

(再鑑賞)
レンタルショップで本作品のDVDを見つけ、再鑑賞。
MGM時代のフレッド・アステアのような円熟さ、ミュージカル映画としての華やかさはないものの、溌剌として若々しいアステアの軽やかなダンスが存分に楽しめます。
また、ジンジャー・ロジャースと組んでのダンスは、息がぴったりで、やはり素晴らしい。これだけ2人の息が合うというのはなかなか無いでしょう。
ストーリィとしては楽しめないし、MGMミュージカルを見慣れた目からすると寂しいものに感じますが、その一方でフレッド・アステアのソロ、またジンジャー・ロジャースとのコンビによるダンスは見応えがあり、十分楽しめます。

2007.01.22

 


 

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