“め し” ★★
(1951年日本映画)

監督:成瀬巳喜男
原作:林芙美子
脚本:井出俊郎、田中澄江
出演:
上原謙、原節子、島崎雪子、杉葉子、風見章子、杉村春子、小林桂樹、大泉滉、山村総、浦辺粂子、進藤英太郎

      

高峰秀子出演作をいろいろ観ていた中で成瀬巳喜男監督に惹かれ、その流れで見るに至った作品。
昭和20年半ば頃の大阪に住む夫婦の姿が描かれています。

親の反対を押し切って結婚した三千代と岡本初之輔の夫婦。その後、初之輔の転勤により2人は今、大阪に住んでいます。
恋愛結婚だったといっても結婚からもう5年、三千代はずっと専業主婦ですが、家に帰って来てもろくに会話がなく、朝晩、ただ「飯は」としか言わない夫との夫婦関係はすっかり倦怠期。
そこに突然、初之輔の姪である20歳の里子が東京から、家出したと舞い込んできます。初之輔にやたら甘えかかる里子に対し、言葉には出さないまでも三千代は面白くない。(はっきり言葉にださないという処も問題なのですが)
そこからいろいろなことを経て、三千代は里子を東京まで送っていくという名目で、東京の実家に戻るのですが・・・。

倦怠期、夫婦間の断絶・・・今も昔も変わらないなぁ、と感じさせられます。
結局は2人の間の会話不足、言葉不足なのですが、亭主はそんなので当たり前、妻はそんな亭主に従って当然、という雰囲気が昔は今よりもずっと強かったのでしょう。

ストーリィには関係ありませんが、昭和20年代半ばの、大阪(道頓堀辺り等)や東京の景色が楽しい。何しろ私が生まれるまでの景色ですから。
そして、登場する俳優たち。私がリアルタイムで観ていた頃はもうすっかり老人役だった人たちが、まるで若い。よく見て確かめないと誰だか分からない。
(流石に杉村春子さんはすぐ解りますが、風見章子さん、新藤英太郎さん等)。

それなりに楽しめました。

2020.04.18

   


 

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