フレッド・アステアの珍しくも水兵姿が見られる作品。
痩せている男性には水兵姿がスマートに映るのか、なかなか様になっています。
元ダンサーだったベイク、今は海軍の水兵。ヴォードビルでコンビを組んでいた相手にプロポーズを断られたのが原因らしい。
その相手であるシェリーを演じるのがジンジャー・ロジャース。軍艦が港に入り上陸した僅かの間にベイクが再びシェリーとダンスおよび恋で結ばれるまでのゴタゴタを描いたストーリィ。
水兵という役柄の所為か、いつもの洒落たアステアではなくて、やややさぐれた感じのあるアステア。新たな恋の始まりでもないという点からストーリィとしてはイマイチ、好きになれない分も多い。
その分、本作品のダンスは水兵たちをバックにしたナンバーをはじめとしてコミカルな味わいが楽しめます。
このところ何作も続けてアステア映画を観ているのですが、やはりジンジャー・ロジャースと組んでのアステアのダンスは素晴らしい。この2人のコンビの良さを改めて思い知った気がします。
本作品では最後を飾る“Let's Face the Music and Dance”、アステアとジンジャー・ロジャースのダンスが素晴らしい。
甘くちょっとせつない名曲をバックに踊る2人の姿はもう芸術品としか言いようがないくらい。このシーン、アステアは燕尾服姿なのですが、やはりアステアは水兵姿より燕尾服姿の方が似合っています。
一方のロジャースのビーズ付きドレスは、撮影中アステアの顔に何度も当たったりと曰くつきの衣装だったらしい。
そんなことはさておき、この最後の場面、アステア&ロジャースのコンビを代表する名品あるといって間違いないでしょう。
このダンス場面があるからこそ、評価が★★にアップしました。
2007.02.25
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