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アジア太平洋戦争にて過酷な目に遭あったのは、第一に子どもたちであり、第二に女性たちであった、それも戦争後の混乱に満ちた社会において、というのが現在の基本認識だと思います。
本作は、その子どもたち、女性たちが辿った過酷な戦後の生活を描いた作品。
戦争体験者が減り、先の戦争が遠くなってきた現在において、戦争を知らない作家たちによる先の戦争を描いた作品が増えていますが、本作もその一環にある作品と言って間違いありません。
主人公は音楽家の父親を持つ12歳の少女、茅野琴子(小八重葵美)。
敗戦となり、疎開から東京に戻ってみれば、家も家族も失われており、焼け野原にたった一人で放り出され、否応なく戦争浮浪児たちの仲間入りすることになります。
そしてすぐ、女の子であることの危険を察知した琴子は、髪の毛を短く刈って「シゲオ」と名乗り、少年として、浮浪児仲間と共に靴磨き等々、闇市を束ねるヤクザから与えられた仕事で金を稼ぎ、過酷な境遇の中を生き抜いていく。
もうひとりの主人公は、琴子の教師だった曽根文美子(二階堂ふみ)。
琴子を迎える人が誰もいないことを承知のうえで、駅で琴子に別れと告げ、琴子を一人で放り出してしまったことに罪の意識をずっと持ち続ける女性。
といって彼女もまた生まれたばかりの赤ん坊を抱え、教職に戻れることもなく、生きるために身を犠牲にしていく他ない。
文美子は第二の主人公であると同時に、戦災孤児・戦争浮浪児たちを外側から見る<視点>でしょう。
「わたしの知らない子どもたち」という題名は、知らなければ存在していない、見えなければ手を差し伸べる必要はない、そんな子どもたちはいない、という意味でしょう。
その点、文美子は目を背けることのなかった女性ではありますが、戦災浮浪児たちの存在を明確化するために必要な存在であったのだろうと思います。
正直な処、観ること自体辛い内容で、観に行くのをちょっと躊躇いました。
しかし、内容だけでなく、戦争浮浪児たちを演じる子どもたちの演技が素晴らしく、観る価値は高い、と思います。 是非お薦め!
2026.10.20
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