“高野豆腐店の春” ★★☆
(2023年日本映画)

監督:三原光尋
脚本:三原光尋
出演:藤竜也、麻生久美子、中村久美、徳井優、山田雅人、日向丈、竹内都子、菅原大吉、桂やまと、黒河内りく、小林且弥

  

好きな女優さんである麻生久美子さん主役の一人ということで、迷わず観に行った次第です。
父娘で営む小さな高野豆腐店を舞台にしたささやかな日常ドラマだろうと、大きな期待は特にしていなかったのですが、予想以上に良かった!です。

まず、尾道という舞台がいい。
わたしが尾道に旅行したのはもうかなり前のことになりますが、商店街や街並み、今でもはっきり覚えていて、懐かしさを感じます。

また、麻生久美子さん演じる春の父親である、頑固で不器用で実直な高野辰雄を演じる藤竜也さんが、もうこれ以上ないくらいにいい。

その辰雄、心臓に不安があり、担当の女医から早く再手術するよう勧められるのですが、どうも手術が怖いらしく、処方されている薬頼み、春にも知らせずだんまりを決め込んでいます。
しかし、仲間たちからたきつけられ、自分に何かあってからの春(バツイチ)の身を案じ、春には内緒で再婚相手の物色を始めます。それに協力するのが仲間たち。
本人との見合いより前に、父親がまず候補者を面接。そのシーンが面白い。
ところが春には、既に付き合い始めた相手がいて・・・・。

豆腐作りにおいては父親であっても師匠、その点のけじめ、父娘の諍い、そして仲直りと、藤竜也さんと麻生久美子さんの掛け合いが絶品です。

また、楽しいのは、辰雄に、病院で出会った独り身の高齢女性=中野ふみえというガールフレンドができること。
この辺りの展開も見所です。

尾道を舞台にした、気持ちよく、味わいをたっぷり楽しめる作品、お薦めです。

2023.08.19

            


  

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