“書道ガールズ!!−わたしたちの甲子園− ★★☆
(2010年日本映画)

監督:猪股隆一
脚本:永田優子
出演:成海璃子、山下リオ、桜庭ななみ、高畑充希、小島藤子、金子ノブアキ

 

紙製品の出荷額が全国一という愛媛県四国中央市。しかし、不況の影響で街は活気を失っている。そんな町を活気つけようと、愛媛県立三島高等学校の書道部員たちが始めた「書道パフォーマンス」。それが地元テレビの取材や全国ネットの情報番組に取り上げられて話題となり、2008年に地元の「四国中央紙祭り」のメインイベントとして第1回「書道パフォーマンス大会」が開催されたとのこと。
本作品は、その実話を映画化した青春ストーリィ。

「ガールズ」「ボーイズ」という題名のつく小説、映画には最近事欠かないといった観があり、本作品もその一連ものかと思って観に行ったのですが、大違い。
確かに共通するところはありますが、次々と閉店が続きすっかり活気を失った商店街、でも自分の好きなものがこの町にはいっぱいある、諦めたら何もできない、町のために精一杯やってみようと頑張る、少女たちの心根が素晴らしい。

映画ストーリィは、四国中央高校書道部が中心。
ちょっと頑なな部長=早川里子に成海璃子。下級生の男子をいつも震え上がらせる副部長=篠森香奈役が桜庭ななみ。この2人の組み合わせがいかにも高校生といった感じで楽しい。
前半、ずっと苦い展開が続きますが、そこが単なる青春映画と一味違うところだと思います。
また、最後の書道パフォーマンス大会の様子は、ストーリィを別にして楽しめる場面。
しかし、一番大事なのは自分たちの生まれ育ったこの町、どこからでも紙工場の煙突が見えるこの景色が好き、という彼女たちの思い。
ちょうど読み終えたばかりの藤沢周平「乳のごとき故郷」と重ね合わさって、こうした思いは大切だなぁと感じました。

自分たちの町を愛し、町を活気づけようとした彼女たちの気持ちに感動する、気持ちの好い映画です。

2010.05.22

        
※ → 「書道パフォーマンス甲子園」公式ホームページ

  


  

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