砥上裕将の小説「線は、僕を描く」の映画化ということで、楽しみにしていた作品です。
一言でいえば、水墨画の世界の魅力&青春成長ストーリィ。
原作の良さを忠実に映像にした、という印象。となれば、原作が素晴らしいのですから、本作も気持ちの良い、良質な作品に仕上がっています。
水墨画の世界を目で見ることができるという点は映画の良さですが、その一方で水墨画の世界、その内面への深いアプローチは原作に到底及びません。
まぁそれは、時間も限られている映画の限界でしょう。
でも、原作、映画、両方を楽しむことができるというのは嬉しいことです。
ただ、最後の締め、常識的な処に落ち着けてしまった処は、とても残念。
主人公である大学生、青山霜介の可能性を小さくまとめてしまった、と感じますので。
本映画を観て水墨画の世界に魅了された方には是非、原作も読んでもらえると嬉しい限りです。
2022.10.23
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