“さくら ★★
(2020年日本映画)

監督:矢崎仁司
原作:西加奈子
脚本:朝西真砂
出演:北村匠海、小松菜奈、吉沢亮、寺島しのぶ、永瀬正敏、水谷果穂、山谷花純、小林由依(欅坂46)

 

サクラと名付けた愛犬が長谷川家にやって来た時から、回想というシチュエーションも含めて綴った、家族5人と犬1匹の家族ストーリィ。

テーマは何か、というより、ごく普通の家族に起きた、普通ではない出来事等々、いろいろなドラマをすべて盛り込んだ家族ドラマという印象です。

兄2人と妹1人という3兄弟と両親の仲の良い姿。その家族に影を落としたのは、長男である一の喪失と父親の家出か。
それら事情は終盤になってやっと語られるという構成。

ヒーローだった長男=一(はじめ)と矢嶋優子との恋人関係、次男=薫の“玄関”と言われる女子同級生との初経験、末っ子=美貴と同級生とのレズ要素のある友情、美貴による矢嶋優子への行き過ぎた嫉妬。そして一の身に起きた、残酷な試練・・・。

主人公であり、語り手という立場でもある薫役の北村匠海は、いつもの北村匠海らしく、母親役を演じる寺島しのぶの芸達者ぶりは今更言うまでもなく。
そうした中で異彩を放っているのは、長兄に対する面、親友に対する面、愛犬サクラに対する面等々、それぞれに異なる表情を見せる美貴を演じる小松菜奈でしょう。

元々本映画を観に行ったのも、小松菜奈が目的でしたので、見応えあった一面、美貴という人物像には複雑な思いを抱かざるを得ず・・・。

2020.11.15

                


   

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