“PERFECT DAYS”　★★☆
（2023年日本／ドイツ映画）

監督：ヴィム・ヴェンダース
脚本：ヴィム・ヴェンダース
出演：役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和、甲本雅裕

主演の役所広司が第76回カンヌ国際映画際で最優秀男優賞を獲得した、話題の映画。

役所が演じる中年男の平山は、安アパートに一人で住み、毎日黙々と渋谷の公衆トイレの清掃員として働いていて、極端な程に無口。
毎日決まったタイミングで目を覚まし、決まった行動をとって軽自動車で仕事先の公衆トイレへ向かう。仕事が終われば一旦帰宅して自転車で銭湯へ、さらにいつもの居酒屋でいつもの食事を取る、部屋では古本屋で買った文庫本を読んでから寝るという、判で押したような日々。
決してゆとりのある生活ではなさそうですが、安定した穏やかな日々に充足感を味わっている様子です。

しかし、生きていれば毎日が全く同じという訳には行きません。
同僚である若い男（柄本時生）にすがりつかれたり、突然に姪のニコ（中野有紗）がアパートを訪ねてきたりと、波が立つ日もある。
どうもこの平山という人物、今このような生活をしているのには、それなりに大きな事情があったようなのですが、最後までそれは明らかにされません。

特にストーリィというようなストーリィがある訳ではないのですが、平山という中年男性の、今生きる日々を大切にしている姿が愛おしい。

ただ、平山の過去、知りたかったなぁ・・・。

2023.12.27