“夏目アラタの結婚 ★★
(2024年日本映画)

監督:堤幸彦
原作:乃木坂太郎
脚本:徳永友一
出演:柳楽優弥、黒島結菜、中川大志、丸山礼、立川志らく、佐藤二朗、市村正親

 

乃木坂太郎原作の同名コミックスの映画化とのこと。

予告編を見た限り、サイコパスかと思える女性殺人鬼との駆け引き、といった様子が気味悪く、観るかどうか迷ったのですが、気になるくらいなら観ておこう、と観に行った次第です。

連続バラバラ殺人事件の犯人として逮捕、一審判決で死刑を宣告された“品川ピエロ”こと品川真珠。
元ヤンキーの児童相談員=夏目アラタは、担当児童から、被害者の一人である自分の父親の、まだ発見されていない頭の在りかを知りたく、アラタの名前を語って真珠と手紙のやりとりをしていたと打ち明けられます。
少年に代わって真珠と面会したアラタは、そげなく振る舞う真珠に向かって、衝動的に俺と結婚しようぜ、と声掛けしてしまう。

なりゆきから後に引けず、真珠と獄中結婚したアラタは、毎日20分の面会時間を手に入れるのですが、真珠はアラタや、担当弁護士の宮前を翻弄して止まない、といった様子。
真珠の語るどこまでが真実で、どこは真っ赤な嘘なのか。
真珠とアラタたちの駆け引きを主軸とした、心理サスペンス。

品川真珠という囚人はどういった人物なのか、何故アラタとの獄中結婚に応じたのか、そしてまた、アラタをして何をさせようとしているのか。

実に難解です。終盤、真珠が隠していた、驚くべき事実が明らかになりますが、だから何なのか。そんな単純な人間だと真珠を理解してしまった良いのか。

観終わった後も、得心できないまま、あれこれ疑念を引きずってしまいます。
もうしかすると、それが本作の面白さなのかもしれません。

本作を面白いと思うかどうかは、好み次第でしょう。

2024.09.07

             


  

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