“奈緒子” ★☆
(2008年日本映画)

監督:古厩智之
原作:坂田信弘
脚本:林民夫、古厩智之
出演:上野樹里、三浦春馬、笑福亭鶴瓶、佐津川愛美、柄本時生

 

上野樹里主演ということで観た作品。
駅伝コミックを映画化した青春ストーリィとのことです。

舞台は長崎県の波切島。
喘息の療養で12歳のとき両親とともにこの島を訪れていた奈緒子は、船から海に落ちたときすかさず海に飛び込んだ船長に助けられますが、その直後に来た大波に浚われ船長は命を落としてしまう。
それから6年後、陸上競技大会の受付を手伝っていた奈緒子は、今や有望ランナーとなっている亡き船長の息子=隠岐雄介に再会します。
その後、雄介に再び会おうと九州の駅伝大会に駆けつけますが、お互いに過去にこだわる奈緒子と雄介の距離は遠い。2人の複雑な胸を知った波切高校陸上部の西浦監督は、長崎の高校駅伝大会を目指す夏合宿に、奈緒子をマネージャーとして迎え入れます。
さて、2人の関係は? そして駅伝大会での勝負の行方は? という駅伝を主にした青春ストーリィ。

上野樹里主演ということで期待したのですが、映画としてはストーリィを一通りなぞっただけで終わってしまった、という印象。
上野樹里は、奈緒子という主人公にずばり適役でしょう。それでも上野樹里の持ち味が充分生かされているとは言い難い。もう一歩足りない、という感じ。
また、西島監督役の笑福亭鶴瓶はどうかなぁ・・・。よくも悪くもこの2人が目立つ映画です。

ストーリィとして、奈緒子は波切高校陸上部の夏合宿に加わったことで何を得ることができたのか。また、その奈緒子と雄介の気持ちはどういう過程を経て解決したのか。
単にやっとみんなの気持ちが合わさって優勝した、というだけで済むべきストーリィではない、と思うのです。
西島監督が奈緒子を呼び寄せたことにも、どんな考えや想いがあってのことなのか。その想いが伝わって来ない故に、西島監督役にも不満が残ります。

それにしても上野樹里、まだ若いなぁ。若さ有る今のうち、青春ものにどんどん出演して欲しいと願う次第。

2008.02.20

 
   


  

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