“怪 物” ★★
(2023年日本映画)

監督:是枝裕和
脚本:坂元裕二
出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、中村獅童、田中裕子

  

第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した作品。

安藤サクラ演じるシングルマザーの母親が、息子の異変に気づき問いただしたところ、担任教師にやられたのだという。
そのため、事情を確かめに学校に赴いた母親だったが、対応する教師側は事情を確認しようともせず、マニュアルどおり担任教師に謝罪させことを済ませてしまおうとする。しかし・・・・。

学校に不信感を抱いた母親や、一方的に罪を着せられた担任教師の側からみると事態は不可解なことばかり。そして校長や他の教師たちは、何故事実を確認しようとせず、ひたすらマニュアルに記載された文章を読み上げることで対応しようとするのか。
そして後半、今度は当事者である子供の側を、時間を元に戻して事実を追っていく、という構成。

題名の「怪物」とはいったい誰のことなのか。
教師たちが気づかずにいるクラス内での執拗ないじめ、イジメる側の子供たちのことなのか。それとも、イジメられる側の子供の父親のことなのか。
いや、事実を確認しようともせず、ただ謝って事を終わらせてしまえばよい、とする教師たちこそ、怪物のように思えます。そこには、人らしい感情が一片とも見せませんから。

率直にいって、感動を覚えるといった作品ではありません。
今や、子供たちさえも生き辛い世の中に生きている、そうした事実を描いた作品だったのか(脚本賞受賞ということで)、と感じたのが第一。

そして、本作の結末はどうだったのかというと・・・何とも言い難いです。

※田中裕子演じる校長、いったいどういう人間なのか、分からなかったなァ。

2023.06.03

            


  

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