“レジェンド&バタフライ” ★★ 監督:大友啓史 |
言うまでもないことですが、題名の「レジェンド」とは織田信長、「バタフライ」とはその正室で濃姫とも帰蝶とも言われる女性のこと。 この濃姫という女性、歴史に残るのは斉藤道三の娘で、政略結婚で織田信長に嫁したという事実だけで、それ以外は一切不明。 信長の側室にしても歴史に記録されているのは、吉乃、お鍋等、信長の子を産んでいるからであって、濃姫が記録に残らなかったのは子を産んでいないからとも言えますし、そもそもそこまでの夫婦関係がなかったということなのかもしれません。 だからこそ、自由に想像を膨らませることもできるという訳で、本作のような物語も創り上げられる、という訳です。 木村拓哉版信長が評判になっているようですが、確かに野性味と粗忽ぶりがうまくミックスされていて好演だと感じます。 ただし私の狙いは、濃姫を演じる綾瀬はるか。 冒頭の初夜の場面等々、男前なところは相変わらずで、惚れ惚れする格好良さ。観ていて楽しい限りです。 なお、本作品に信長の発展物語を期待してしまうと、その期待は削がれてしまうことでしょう。何故なら、信長が発展する契機となる戦いそのものは省かれてしまっていますから。 その意味で本作は、個人的には濃姫、主眼としては濃姫と信長という夫婦の物語というところでしょう。 上演時間 168分と、日本映画としては長いものでしたが、そこは信長を描く物語ですからあっという間、むしろ短いくらいです。 ※稲葉山城、稲葉山からの展望、安土城、安土城からの展望というシーンがあるのですが、観光で稲葉山城(岐阜城)にも安土城跡にも行っていますので、懐かしさと実感がありました。 2023.02.01 |