“ラーゲリより愛を込めて” ★★☆ 監督:瀬々敬久 |
アジア太平洋戦争の敗戦時、日本兵の人たちがソビエトの不法によるシベリア抑留という悲劇を味わったことは、今でも忘れ難い悲惨な出来事ですが、本作品はそのシベリア抑留を描いたもの。 長年にわたる過酷なシベリア抑留、労働に帰国の希望を失う人たちもいたが、そうした中、山本幡男(二宮和也)という人物が皆を励まし、希望を繋ぎ続けた事実を綴ったストーリィ。 フィクションかと思いましたが、山本幡男は実在の人物。 希望を失いかけた人、収容所にも軍隊の上下関係を持ち込んで平然としている人物、そうした中にあって分け隔てなく皆に希望を与え続けるというのは、どれだけの胆力、心の強さがあればできることなのでしょうか。 映画を観ていての一番の関心毎は、山本幡男という人物が、妻子の元に戻れるのかどうか。それは最後まで分からず、ずっと旨が胸が締め付けられるような思いでした。 戦争とは悲惨なものです。どれだけ多くの人を苦しめ、絶望に追いやることか。 2022.12.10 |