“キリエのうた” ★★
(2023年日本映画)

監督:岩井俊二
原作:岩井俊二
脚本:岩井俊二
出演:アイナ・ジ・エンド、広瀬すず、松村北斗、黒木華、村上紅郎、江口洋介、吉瀬美智子、奥菜恵、浅田美代子、石井竜也

  

東日本大震災を出発点に、孤独な女子2人を、小学生時、高校生時、東京での再会時と、13年に亘って描いたストーリィ。

東京の渋谷、“キリエ”と名乗って路上ミュージシャン活動をしている路花(るか)は、東日本大震災で両親と姉を失くし、施設・里親の元で育った女性。しかし、孤独感は少しも癒されていない。
そのキリエに声を掛けてきた一条逸子、キリエに寝泊まりする場所を提供したうえでマネージャーをしてあげようか、と提案してきます。その逸子、実は高校時代に親しく交流したことがある先輩女子の真緒里(広瀬すず)。

震災以来、歌うことはできるが、日常会話の声を余り出せずにいるキリエ。
一方、カラフルな鬘をつけて自由奔放に生きているように見えた逸子も、実は問題を抱えていた・・・。

その二人に、路花の亡姉と恋人関係にあった潮見夏彦、偶然見かけた小学生の路花を家出少女かと心配した学校教師の寺石風美が絡みます。
この風美役を演じた黒木華さん、いいですねぇ。

観ていて惹き込まれるストーリィなのですが、何を伝えようとした作品なのか、いまいち掴めなかったという気持ちが、残念な想いとして残ります。
ただ、女子2人がそれぞれ抱える孤独感、でも2人だけは繋がっていられるという切なさが、強く印象に残ります。

一方、東京でのキリエと逸子の生活背景が非現実的、という処が最後まで気になりました。

※キリエ(路花)役のアイナ・ジ・エンド、かなり変わった歌声で、キリエの歌う歌はかなり印象的。その点、キリエ役にぴったりだったのでしょう。
私は全然知らなかったのですが、6人組のガールズグループ“BiSH”の元メンバーとのこと。ですから歌うことはお手の物なのかな。

2023.10.15

            


  

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