“暗いところで待ち合わせ” ★★ (2006年日本映画)
監督:天願大介 原作:乙一 脚本:天願大介 出演:田中麗奈、チェン・ボーリン、井川遥、宮地真緒、岸部一徳、佐藤浩市
乙一さんの同名小説の映画化。
原作が面白いので本映画もその面白さがそのまま生きていました。 元々原作も短いし登場人物も少ないので、映画化しやすい作品だったろうと思います。 でも原作の面白さがそのまま引き継がれていたなんて貴重だと思う。
ストーリィの面白さを引き立てていたのは、主人公の一人である、盲目の若い女性・ミチルを演じる田中麗奈の演技。 役柄から熱演という印象は受けませんけれど、好い演技でした。最初から最後まで観ていてとても楽しかった。こういう質の良い演技を観れることは嬉しいことです。
原作を読んだときには感じませんでしたけれど、親一人子一人の父親に死なれて独りぼっちになる、そのうえ盲目というハンデを抱えた主人公の姿、せつないですね。 同時に、母親と遠く離れた日本で日本社会に馴染めないまま孤高に働いている日中ハーフの青年アキヒロの姿もせつない。 なお、原作を読んだときもそうでしたが、映画を観てもオードリー・ヘプバーンが主演したかつての名作「暗くなるまで待って」を自然と思い出します。 名作と似ているようで似ていない、そこが何とも言えない味わいです。
2007.06.02
→ 原作:「暗いところで待ち合わせ」
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