“記憶にございません!” ★★☆
(2019年日本映画)

監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
出演:中井貴一、ディーン・フジオカ、小池栄子、石田ゆり子、斉藤由貴、草刈正雄、佐藤浩市、吉田羊、木村佳乃、山口崇、田中圭、梶原善、寺島進、有働由美子

  

暴言故に、支持率は史上最低という総理の黒田啓介。
演説中に聴衆から投げられた石が右額に当たって転倒、意識を失って病院に担ぎ込まれます。
その病室で目覚めた黒田、自分が誰なのかを含め、最近の記憶を一切失っており、パジャマ姿のまま街中に彷徨い出たところを、警備スタッフに保護されます。
頭を抱えたのが3人の秘書。ディーン・フジオカ演じる井坂、小池栄子演じる番場のぞみの2人は、何とかそのまま黒田に総理を務めさせようと、懸命なバックアップに務め始めます。
出来ない、無理と、人が変わったように小心者に変わってしまった黒田ですが、指示をはねつけるだけの気力もなく、指示にしたがって総理を演じます。
そこから始まる、政治&人間コメディ。

出演陣が豪華ですね。その分、たっぷり楽しめます。もちろん、ストーリィそのものも面白いのですが。
※山口崇さん、随分と久しぶり。名前を言われないと判りませんでした。
最初は記憶を失いすっかり小心者になってしまった黒田総理の、自身無げだった様子が、次第に国民のため精一杯やりたいと決意してからの様子、その変化が観応えあって、主演=中井貴一の芸達者ぶりが目立ちます。実はそこには、ある秘密があったのですが・・・。

秘書と不倫を繰り広げる総理夫人=里子を演じる石田ゆり子、人を喰ったような言動の家政婦=寿賀さんを演じる斉藤由貴、政治ゴロ記者=古郡を演じる佐藤浩市、敵対する関係でありながら黒田をベッドに引っ張り込もうとする野党党首=山西あかねを演じる吉田羊、それぞれ役者の個性を発揮していて楽しいかぎりです。
しかし、米国の女性大統領スーザン・ナリカワを演じた木村佳乃、TVのニュースキャスターを演じた有働由美子、直ぐには誰と、その正体に気づかず仕舞いでした。とくに有働さんはね〜、目元バッチリメイクで予想もしませんでしたからね。
127分、たっぷり楽しませてもらいました。

なお、現実の政治家、政治への痛烈な風刺がたっぷり入ってますね、これ。

2019.09.16

            


  

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