人気小説の映画化。
原作では、スーパーに派遣されたエリート県庁職員の教育係になるのはパートの中年女性ですけれど、映画では柴咲コウの役どころ。
柴咲コウファンの観客を呼び込もうという戦略なのでしょうけれど、パートの二宮役は原作どおり中年女性にして欲しかったなぁと配役を知った折には思ったのですが、実際に見てみるとむしろ難は織田裕二の方にあるかもしれません。
その柴咲コウ、予想外に良い味を出しています。
それに対して織田裕二、どこまでいっても織田裕二らしく、また織田裕二でしかない。原作は平凡な、だけどコミカルで心温まるストーリィだった筈なのに何でこんな社会ヒーロー的かつ大袈裟な展開になってしまったのか。その原因は織田裕二所以と見る他ありません。
原作のいろいろな局面での面白さを描ききれないと早々に諦め、二宮あきと野村聡の恋愛要素に置き換えてしまったのは、時間制約ある映画故やむを得なかったのだろうと、好意的に解釈しておこうと思います。
私にとっては、柴咲コウの持ち味を十分楽しめたのが収穫でした。
2006.10.30
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