“伊藤くん A to E” ★★
(2018年日本映画)

監督:廣木隆一
原作:柚木麻子
脚本:青塚美穂
出演:木村文乃、岡田将生、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆、田口トモロヲ、中村倫也、田中圭

  

自意識過剰で、その行動は自分の都合ばかり、女性を弄んでいるも同然なことをしているのに何ら恥じることもない、いくらイケメンとはいえ中身はクズ同然の男である“伊藤くん”に振り回される、5人の女性たちの姿を描いた柚木麻子さんの連作ストーリィの映画化。

原作とはちょっと異なるところもありますが、5人の女優たちの競演が楽しめるところに映画ならではの魅力があります。
映画においては、忘れられかけている女性脚本家の矢崎莉桜(木村文乃)が、4人の女性と伊藤くんとの関りを俯瞰的に眺める役割を担っていると同時に、そんな伊藤くんのポリシーを引っ張り出す役目を果たしています。

さて、その伊藤くんの主張するところ、分からぬでもありませんが、それはずっと今の時点に留まり続ける、ということに他なりません。
しかし、そんなことが現実にあろう筈がないことも明らか。

格好つけてばかりの伊藤くんに対して、傷つきながらも一歩前に歩み出した5人の女性たちの姿が対照的に生き生きとして感じられます。
それなりに楽しめました。

2018.01.13

    
※原作 → 「
伊藤くん A to E

      


  

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