新興宗教に嵌っている両親、家を出たまま帰ってくることがなくなった姉、自分のことを心配してくれる伯父一家・・・。
それでも幼い頃はそれなりに幸せな四人家族でしたが、中学3年生になったちひろは、ただ単純に幸せだとばかり感じてはいられません。
両親が新興宗教に嵌っている所為でそれ関係の支出は大きく、住む家もボロくなっている。また、何も知らない教師の目から見て、新興宗教の教えに真面目に従っている両親の姿がどんなに異常なものなのか、知らずには済みません。
それでもちひろが両親に怒りを覚えないのは、その発端が自分に対する愛情にあったことを知っているから。
危ないバランスの上に、自分を見失わずしっかり立っている、それが主人公ちひろの姿なのでしょう。
ストーリィで読むのとは別に、映像でちひろの姿を見るのは、また違った感動があります。是非お薦め。
主役のちひろを演じた芦田愛菜が好演。
少女ちひろの姿が、脳裏に焼き付いていつまでも消えずにいる気がします。
※ちひろと同様、新興宗教の信者となっている親たちに連れられ、バスで研修にやってくる子供たちの姿は、まるで林間学校や修学旅行のようです。
彼らにとっては皆、親につきあって参加する定例行事のようなものなのでしょうか。
2020.10.10
|