伝説的コミックの実写版映画化。
完璧な美貌で人気絶頂のモデル=りりこ。しかし、実は全身美容整形というのが彼女の秘密。ただ秘密ならばいいのだが、無理な整形の後遺症でしばしば顔や体のあちこちに染みが現れ、その都度再手術を繰り返さなければならないというのが彼女の運命。
題名の「ヘルタースケルター」とは、元々螺旋状のすべり台のことでしたが、今は「狼狽」や「混乱」などを意味する言葉らしい。
とにかく主人公りりこのキャラクターが、圧倒的。性格は極悪と云えるし、性的には奔放というのを超えてまるで毒蛾のよう。
美容整形の後遺症で身体が壊れていくのと比例、いやそれ以上に人間的に壊れていく様を描いたストーリィ。
そのりりこを演じる沢尻エリカの演技も凄い。ここまでやってのけるかと思いますが、その一方で沢尻エリカ自身の実像とシンクロするところがあって、なおのことリアルこの上ありません。
本映画で印象的なのは、沢尻エリカの熱演ぶりと、蜷川実花監督が持ち込んでスピーディで無機質な映像シーンの2つであると言って過言ではありません。
ただ、私の好みからはかけ離れた作品でした。
2012.07.15
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