暴力団ものは好きではないのですが、岡田准一主演となれば、やはり観てみようかという気になるものです。
主人公の出月梧郎は元警官。自分が見逃したばかりにコンビニ店員と女子高生バイトの4人を強盗殺人の犠牲者にしてしまったという悔いが、彼をして復讐者へと追いやります。
今は兼高昭吾と名を変えて関東最大の暴力団組織のボディガード“ヘルドッグス”のメンバーとなった梧郎は、警視庁から極道潜入捜査官の命を押し付けられます。
折しも、暴力団内部での抗争が勃発し・・・・。
本作での岡田准一、珍しくダークな役回りとあって髭だらけで如何にも油断ならない人間というオーラを出しまくっていますが、それはそれで似合っています。
の兼高の相棒となるのが、暴力を奮う処にちょっと狂気じみた顔を覗かせる室岡秀喜で、これを演じるのが坂口健太郎。
こちらも好演で、ヘルドッグスというコンビの存在感を盛り上げています。
最初から最後まで、一瞬の緩みも見せることなく、緊迫感がずっと続きます。
どういう展開へと進むのか、全く見当がつかない処もあって、まさに観応えたっぷりです。
もちろんアクションシーンも迫力満点です。
本作の観応えは、兼高と室岡の2人だけによるものではありません。もう一人特筆しておきたいのが、直属のボスであり、暴力団幹部である北村一輝演じるところの土岐勉の情婦である吉佐恵美裏の存在で、こちらは、松岡茉優が演じています。
この松岡演じる吉佐という女性、岡田演じる兼高の対極にあるという印象で、坂口演じる室岡以上の存在感を発揮していると言って良いでしょう。
もう一つ本当の顔を感じさせないこの吉佐を演じた松岡茉優の演技も圧巻。
最後の最後まで観応えがありました。
その後、兼高らがどうなるのかと心配するのは、野暮というものでしょう。
2022.09.23
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