沖縄県八重島列島にあるという架空の孤島、志木那島を舞台にした医療ドラマ。
“Dr.コトー”とは、約20年にわたりこの島唯一人の医師として島民の健康を見守ってきた医師=五島健助(吉岡秀隆)のこと。
診療所のスタッフは、看護師2人とサポート役の町役場職員が一人という体制。
看護師の彩佳(柴咲コウ)は今やコトーの妻で、妊娠7ヶ月。そして若い看護師の西野那美(生田絵梨花)。そこに研修医として織田判斗がやってきます。
本ドラマは元々TVドラマとして放映されたものだそうですが、私は本映画が初めて。
離島で医師を確保することも、その離島での医師業も大変だとは思いますが、診療所での診療の他、自転車(今は電動)で往診もこなし、さらに外科手術までこなすのですから、このコトーはまさに超人的と言う他ありません。。
妊娠中であるにもかかわらず看護師業継続中の妻に支えられながら献身的に診療するコトーですが、そのコトーに重大な問題が起きます。そこに台風が島を直撃し、土砂崩れ等で多数の怪我人が発生します。そこが最大の山場。
島の自然の美しさ、島民たちの濃密な関係、そしていざ事が起きた時の診療所の大変さ、本作品はそれに尽きます。
コトーを演じる吉岡秀隆については好感、時任三郎や小林薫、朝加真由美をはじめ大勢のベテラン俳優たちの存在感は流石という処で、その点も楽しめます。
そのうえで私は、看護師役の柴咲コウ、そして特に生田絵梨花の健闘を称えたいです。
また、出演者全員のチームワークの良さを感じます。皆さん、楽しんで演じられていたのではないでしょうか。
景色の美しさもあって、すこぶる気持ちの良い作品。
ただ実際問題として、孤島の診療所を引き受ける医師には相当の覚悟が要求されるということを改めて実感する内容でもあります。島民たちが、島出身の若者の医大進学をこぞって応援する気持ちは無理ないものと思います。
2022.12.21
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