“騙し絵の牙” ★★
(2020年日本映画)

監督:吉田大八
原作:塩田武士
脚本:楠野一郎、吉田大八
出演:大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ、斎藤工、中村倫也、佐野史郎、リリー・フランキー、國村隼、木村佳乃、小林聡美、佐藤浩市

  

新型コロナ感染防止の影響で、延期、延期となってようやく観れた作品。
塩田大士原作ミステリの映画化ですが、塩田作品は読んだことがないので、新鮮な目で本作を観ました。

舞台は創業家出身の社長が急死し、後継社長の座を役員が争うことになった老舗文芸出版社の薫風社。
役員の争いは、同社の顔ともなっている伝統ある文芸誌「小説薫風」編集部と、廃刊の危機が噂される雑誌「トリニティ」編集部の、鎬を削る争いに投影されます。
そのトリニティ編集長の座についたのが、外部から採用された速水輝。その速水が月刊から季刊に変更された文芸誌編集部から引き抜いた新人編集者=高野恵の2人が主軸となって展開されていくエンターテインメント。

とにかく出演陣が豪華であることが目を引きます。
そして、それ以上に目を見張らせられるのは、速水が張り巡らせた罠にまんまと嵌められ、驚き続けさせられること。
社長の座を争った役員2人ともが、それぞれ罠に嵌められ呆然とする様は、まさに圧巻。

松岡茉優演じる新人担当者の高野恵、純粋で一生懸命なのに、われわれ観客と同様速水に翻弄されて気の毒なばかりでしたが、最後の展開はとても痛快。
上映2時間、たっぷり楽しませてもらいました。

2021.03.26

      


  

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