“ちはやふる−上の句&下の句− ★★☆
(2016年日本映画)

監督:小泉徳宏
原作:末次由紀
脚本:小泉徳宏
出演:広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、松岡茉優、國村隼

  

競技かるたに情熱を注ぐ高校生たちの姿を描いた大ヒット青春コミックの映画化だそうです。
シネコンで上映されたとき見送っていたのですが、正月だからカルタ映画を観てみるのも良いかなぁと思ってみたのですが、これが大当たり。
いかにも私の好きな青春、部活ストーリィ。

前編である<上の句>は、広瀬すず演じる主人公のひとり、綾瀬千早が高校に入学して「競技かるた部」を立ち上げようと奮闘する話。
かつて子供の頃千早と競技かるたチームを組んでいた幼馴染の真島太一に高校で再会した千早、さっそく太一を巻き込みます。部創設の最低条件である5人のメンバーを何とかかき集めた千早、全国大会出場を目指し東京都大会での優勝を目指しますが、勿論そう簡単にいく訳がありません。これ以上ないくらい熱い、高校青春部活ストーリィが繰り広げられます。

後編である<下の句>は、全国大会に出場した太一・千原ら瑞沢高校競技かるた部がさらなる試練に向かい合うストーリィ。
そもそも千早が全国大会出場を目指したのは、千早が競技かるたに夢中になった原因を作ったかつてのチーム仲間、綿矢新と競技かるたの全国大会という場で再会するため。しかし、その新は競技かるたをもう止めたと言い、なんとか新を競技かるたの世界に引き戻そうと決意する千早の前に、圧倒的な戦績を誇る同い年のクイーン=若宮詩暢(しのぶ)が立ち塞がります。

青春、仲間と一丸になっての成長ストーリィというのは常に人気を博しそうな題材ですが、<競技かるた>という舞台が新鮮です。
かつて<書道パフォーマンス>という青春部活ものもありましたが、本来は遊びでありながら格闘技的な様相を持ち合わす<競技かるた>がとてもアクティブかつスリリングで魅力いっぱい。
その競技かるたに負けないくらい、一途な性格で猪突猛進気味の綾瀬千早という主人公が、観るのを惹きつけて止みません。
その綾瀬千早を全力で熱演し、それでいて美少女ぶりも変わるところのない主演の広瀬すずが圧巻。観応え十分、すこぶる楽しいと言って過言ではありません。

個人戦であっても団体戦、という瑞沢高校競技かるた部の仲間としての繋がりが感動的です。次に繋がっていくだろう彼らの姿が快く印象に残ります。

※昨年後半によく耳にした Perfume の曲“FLASH”、この映画の主題歌だったのですね。FLASHとは競技者が放つ札取りをイメージしたものなのでしょうか。ぴったりとは思います。

2017.01.09


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