自らの家族全員で消防士やヤクザ一家、レーサー等々に扮して撮影した、ユーモラスな家族写真集「浅田家」にて木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家=浅田政志さんの実体験を映画化した家族&感動ドラマ。
浅田家の両親、兄と次男である政志の絡み合いが愉快。本当にユーモラスな一家ですね。それが前半。
しかし後半、東日本大震災で家族や家、大切な思い出を失った人々の生々しい姿を目にした政志は、カメラを構えることができず立ち尽くすのみ。唯一できたことは、瓦礫の中から救い出された数多くの写真を洗って並べること。
家族の大切さ、写真のもつ意味が、対照的な二つの面から描かれるストーリィ。
この映画の良さは、ひとえに浅田家の家族を演じた俳優4人のチームワークによるものだと思います。
ただし、私が惹かれたのは、浅田家4人の向こうを張り、浅田家と一線を画すかのように一人、女っぷりの良さを見せつけてくれた女優=黒木華の魅力です。
黒木華が演じた役は、政志の幼馴染であり腐れ縁的な恋人である川上若奈。
若奈を演じた黒木華が見事なのか、それとも黒木華が演じた若奈が見事だったのか。どちらとも言えませんが、私はこの演技の方に痺れました。
2020.10.07
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