和田迪子著作のページ

 

 


 

●「万能感−奢りと泣き寝入りのメカニズム−」● 

 

1997年8月
新潮社刊

 2002年7月
新潮文庫化
※改題
「万能感とは何か」

  

1997/11/07

読んでみると、思った以上に内容の固い本で、しまったと思ったのが第一印象でした。しかし、読み進むと、思ってもいなかったグサッとくるような指摘、警告を含んでいて、とても無視できない内容でした。熟読し、内容をよく理解したとはとても言えませんが、十分に読む価値がある本と実感しました。
他人の分まで黙々と頑張る、あえてそのことで上司の評価を期待せず、自分の健康を犠牲にしても、というのは“損な性分”程度にしか考えていなかったのですが、著者は“それは正常じゃないんだ”と指摘しています。そのことはすごく衝撃的なことです。
また、その原因分析は、そうした例だけではなく、このところの高級官僚、上場会社のトップにまつわる不祥事の説明にも適用できるということ。だからこそ、決して軽視して読めない本だと思うのです。
自分の目的を達成すると、自分に対する万能感が肥大化し現実対応能力が低下、その結果様々なトラブルを引き起こす。著者は、秦始皇帝、信長・光秀を皮切りに具体的に語っていきます。このことは現代日本において、特に言えること。詳細は本書にて。

 


 

to Top Page     to エッセィ等 Index