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2.きのうの祖国 3.兵士に聞け 4.兵士を見よ−"兵士"シリーズNo.2− 6.社長という人生 7.「兵士」になれなかった三島由紀夫−"兵士"シリーズNo.5− 8.昭和の特別な一日 9.兵士は起つ−"兵士"シリーズNo.6− 10.兵士に聞け−最終章−−"兵士"シリーズNo.7− 11.デルタ−陸自「影」の兵士たち− |
●「メディアの興亡」● ★★★ 大宅壮一ノンフィクション賞受賞 |
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1986年06月 1989年11月 1998年03月
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日経・朝日の両新聞社が長期計画で進めた、コンピュータによる紙面作りを 成功させるまでのノンフィクション。 朝日・毎日の二大新聞、それに続く読売、二流新聞だった日経の前身である中外商業新聞。各社の戦略と行動、新技術に対する取り組み。そして新設備投資による巨大な借入金に喘ぐ毎日、日経。 巨額の資金を注ぎ込んで成功させた先見性と実行力は、並大抵のものではありません。この実行があって、初めて今日の日経の繁栄がある。裏返せば日経繁栄の秘密がそこに見えて、興味は尽きません。 |
●「きのうの祖国」● ★★ |
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1990年12月
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第1部では、東独、東西ベルリンの壁が崩壊した前後の、東ベルリン側の人々の 様々な思いを紹介しています。 第2部は、ルーマニア・トランシルヴァニア地方のこと。ルーマニア化への強制、秘密警察“セクリターテ”の横暴。チャウシェスクといい、ホーネッカーといい、ユートピアを目指すはずの社会を何故これ程までに歪めてしまったのでしょうか。この本を読むと、国民のチャウシェスクへの憎しみが理解できます。 第一部 地図から消えた国/第二部 地図にない国 |
●「兵士に聞け」● ★★★ 新潮学芸賞受賞 |
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1998年08月 2007年07月
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読み甲斐のあるルポタージュ。 著者は自衛隊の奥深くまで入り込み、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、さらにPKO派遣部隊のありのままの姿を見ていきますが、何もかもすっきりしない事ばかり。なんと自衛官とは報われない仕事なのでしょうか。 鏡の軍隊/さもなくば名誉を/護衛艦「はたかぜ」/防人の島/帰還 |
●「兵士を見よ」● ★★ |
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2001年03月 2007年09月
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自衛隊に取材する「兵士」シリーズの第2弾。 とにかくこの一冊を読むと、一般人の知らない自衛隊の生々しい姿、現実の姿を知ることができます。 対戦闘機戦闘訓練/「実戦」/生と死と/選ばれし者 |
●「誰かに、似ている」● ★☆ |
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杉山隆男さんと言えば、ルポ、ノンフィクションの分野で、私が信頼感を抱いているライターです。 読み始めてすぐ判るとおり、これはフィクション。といって、小説とも思えない。小説のような、ストーリィを盛り上げていく、という姿勢は感じられないからです。 元スチュワーデス、志帆/幼稚園教諭、加奈子/ビール会社営業、美咲/商社OL、絵里子 |
●「社長という人生」● ★☆ |
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一口に「社長」というと、つい一定のイメージを浮かべてしまうのですが、本書に登場する6人の社長は、それぞれ千差万別、様々に個性的、と言えます。 本書中では、タカラの二世社長・佐藤慶太氏が一番印象深い。次男として実父の会社で専務まで勤めながら突然退職し、その後独力で会社を創業、事業を軌道に乗せた経験の持主。その後、すっかり低落傾向に陥ったタカラに社長として呼び戻され、自立時の経験を生かしタカラを一転して活性化させます。改めて「社長」の存在価値を見せられた気がします。 図らずも、社長(富士重工業 竹中恭二)/巨いなるペシミスト(大創産業 矢野博丈)/社長は奉仕者たれ(資生堂 池田守男)/復活を挑んだ二世(タカラ 佐藤慶太)/崩壊と創業の間(ソニー銀行 石井茂)/社長になるための人生(ワタミフードサービス 渡邉美樹) |
●「「兵士」になれなかった三島由紀夫」● ★★ |
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2010年04月
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高校1年の休憩時間、同級生の一人が三島由紀夫が市ヶ谷駐屯所に乱入して割腹自殺したらしいと知らせに飛んできたその瞬間のことを、今でも忘れることができません。 それにしても“兵士”シリーズ最終巻が何故「三島」なのか。 市ヶ谷で三島が撒いた「檄」には「・・・自衛隊は永遠にアメリカの傭兵として終わるであろう」という予言が記されていたという。 忍(黙契/走る人/懸垂/水兵渡り/救出/美学)/剣(階級審査/手合わせ/服装点検/同期の二人/メダリスト)/絆(告白/継続監視/自立の宴/最後の会話/運命)/手紙 |
●「昭和の特別な一日」● ★★ |
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昭和という時代の中にあった或る一日、時代を画することともなった特別な一日を振り返った4篇。 「上空一万五千フィートの東京五輪」 当時の空気を実感してみたいという方、是非本書を読んでみてください。 上空一万五千フィートの東京五輪(昭和39.01.10.土)/さらば、銀座の都電(42.12.09.土)/日本橋には空がない(38.04.12.金)/ブロードウェイがやってきた!(41.10.29.土) |
「兵士は起つ−自衛隊史上最大の作戦−」 ★★☆ |
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2015年08月
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03.11東日本大震災。自身あるいは家族もまた被災者となりながら、生存者救出ならびにその後の過酷な作業に従事し続けた自衛隊員たちの姿を描いた渾身のルポ。 まさか“兵士”シリーズがこうした形で復活するとは思ってもみませんでした。自衛隊が救助作業に出動しているのは報道等で勿論知っていましたが、実際にどんな過酷な状況の中で隊員たちが作業し続けていたのかを詳しく伝えているところは殆どありません。私にしても、災害となれば自衛隊が出動するのは当たり前くらいにしか思っていませんでしたから。 地震が起きてすぐ、有事の場合の行動基準どおりに部隊へ駆けつけようとした自衛隊員たち。彼ら自身も津波に呑み込まれ、それでもなお一般人を救助しようと奮闘し続けた隊員たちの姿がまず描かれます。その姿は実に凄絶というに尽きます。 自衛隊とは何のために存在するのか。決して自衛の戦争のためではなく、あらゆる国民あるいは国の危機(有事)に備えるため、と言って間違いではないと思います。 1.千年に一度の日(水の壁/別名なくば/救出/最後の奉公/白いリボン/長く重たい一日)/2.七十二時間(戦場/「ご遺体」/落涙/母である自衛官)/3.原発対処部隊(正しくこわがった男たち/偵察用防護衣/海水投下/四千八百リットル)/エピローグ:日記 |
10. | |
「兵士に聞け−最終章−」 ★★☆ |
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2019年08月
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「兵士に聞け」から始まった“兵士”シリーズの最終巻。 1992年の取材開始から24年。当初は2007年「三島由紀夫」にて終わる筈だったのが、東日本大震災の発生から書き続けられ、本書で計7冊となったとのこと。 “兵士”シリーズ初期の著作と比較してはっきりとした違いを感じるのは、ビリビリとした緊迫感に満ちていること。 東西冷戦時代の仮想敵国であった旧ソ連と異なり、領土拡張の野望を隠さず臆面もなく実行している中国は、現実としてそこにある危機なのですから。 特に尖閣諸島国有化以降、度重なる中国の露骨な領空・領海侵犯行為に、那覇基地からのスクランブル発進はそれ以前に比較して格段に増えているとのことですから。 「第1部 オキナワの空」は、そのアラート業務を担っている那覇基地の航空自衛隊、F-15飛行隊のパイロットたちに取材したもの。本ルポを読むだけで、目の前にある緊迫感がリアルな現実として胸に迫ってきます。 「第2部 センカクの海」は、哨戒機P-3Cに登場する海上自衛隊のパイロットたちに取材したもの。 東京で上記のことを考えてももう一つ遠い処の出来事と思えてしまうのですが、実際に沖縄に出かけて、沖縄から地図を眺めてみると、日本本土は遠く、それに対して中国は極めて近い。 距離感がまるで違うのです。それを知らないと「第一部」の緊迫感はもう一つ身に迫って感じられないかもしれません。 「第3部 オンタケの頂き」は、上記から一転して、2014年 9月の御嶽山噴火時における陸上自衛隊で“山岳連隊”と呼ばれる連隊の救援活動をルポしたもの。 本書全篇から感じることは、その任務の厳しさにもかかわらず、使命感を以て淡々とその任を果たす姿です。 かつての宰相吉田茂が、防衛大一期生に対して語ったという、自衛隊が日陰者であるときの方が国民や日本は幸せなのだという言葉が、胸に迫ります。 第1部 オキナワの空・・・第二〇四飛行隊/ライト・スタッフ/オキナワの特別な一日/夜空のテールライト/任務の特性上 第2部 センカクの海・・・「秘」/世界の艦船/おにいちゃん/状況ニ入ル/新妻への最初の頼み 第3部 オンタケの頂き・・・部隊が燃える/山岳聯隊/一歩の重さ/低体温症 エピローグ 神は細部に宿り給う |
11. | |
「デルタ DELTA −陸自「影」の兵士たち SPECIAL SECRET UNIT−」 ★★ |
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周遠平率いる北京政府に対する反政府勢力か? <愛国義勇団>を名乗る中国人武装勢力が、海上保安庁の巡視船に体当たり攻撃して占拠。さらに尖閣諸島上陸を企てる。 その直前、米国政権はこれまでの方針を一変させ、尖閣諸島は安保条約の対象外と日本政府に通知。 その情報を掴んでいるのか、中国政府は軍を尖閣諸島に派遣して武装勢力を一掃、尖閣諸島の実効支配を確立しようと目論む。 その危機に、日本の内閣はどう対処するのか、自衛隊は日本国防衛という本来の役目を果たすことができるのか。 フィクションではありますが、絵空事ではありません。 何時、唐突にそんな事態が起きても不思議ない日本の危機。 現在はかろうじて日米安保条約の範疇という形でかろうじて守られているものの、米政府が方針を変更してしまうだけで直ちに危機は現実化します。 尖閣諸島はその代表的な例と言えますが、決してそれだけにとどまるものではないと思います。 そんな危機が現実化した時、瞬時に国益を死守するため行動する覚悟が、日本政府、政権担当者、日本国民に、果たしてあるのでしょうか。 本作は、その覚悟を問うているシミュレーション・ストーリィに他なりません。 平和とは、ただその言葉を唱えていればいい、というものではない筈。危機に際し命を賭してでも守る、という強い決意があってこその実現できるものだと思います。 本ストーリィにおいて、尖閣諸島に上陸した武装勢力と殺し合いをするため派遣されるのが、陸自で極秘に設けられていた戦闘集団<デルタ・チーム>。 一方、そんな危機においてさえ、中国との外交関係を懸念する外相、自衛隊に那覇空港の優先使用を許可しない管制官、マスコミ報道を気にする永田町勢力等々が、総理や自衛隊の足を引っ張ろうとします。 危機が現実化した時、本当に日本は行動できるのか、一国として当然の決断を行うことできるのか、実情に立った警鐘の書、と言って誤りないでしょう。 現実を直視できるようになるために、お薦め。 1.発生/2.非常呼集/3.永田町二丁目三番地/4.上陸/5.命令下達/6.出撃/7.交戦/エピローグ |