|
1961年愛知県生、津田塾大学国際関係論学科卒。在学中から中近東に興味をもち、卒業後トルコに渡り、カッパドキア地方の僻村で絨毯作りの名人老婆につき絨毯を織り上げる。その時の経験をもとに「エツコとハリメ」(情報センター)を刊行。 |
1.羊飼いの口笛が聴こえる |
●「羊飼いの口笛が聴こえる−遊牧民の世界−」● ★★ |
|
1992/02/24 |
トルコの遊牧民を追った旅の記録。 遊牧民といっても、政府の定住化政策で本来の遊牧民生活を送っている人はもはや少ない、という。また、いても未知の人間に語ることはない。そこからが新藤さんの行動力である。 夏の遊牧地(ヤイク)を求めて通い詰めるうち、一人の男からヤイクの言葉が洩れる。そこからは、それまで冷たかったベルガマの村人も、どこへ新藤さんを行かせたら良いか議論することに 180度転回したという。 新藤さんの羊飼いになりたいという主張は無知からのこととはいえ、現地の人から見れば「何なんだこの女は?!」ということだったのだろう。 本書は「チャドル」を読んだときほどの充実感はなく、どこか硬い感じを受ける。「チャドル」が常にイラン社会を見据えながらだったのに対し、本書ではトルコ社会を比較することはない。ただ、単純に遊牧民の生活のみを知ろうとしている。印象の違いはその姿勢の違いによるものかもしれない。 本書で印象に残ったのは2点。 夏の遊牧地/ヤージュベディル遊牧民の絨毯/トルクメン・今も残る秘密の儀式/秋の遊牧地/ヤージュベディル遊牧民・幻の白い天幕 |
●「チャドルの下から見たホメイニの国」● ★★ |
|
1992/02/13 |
面白く、かつ興味つきない一冊。 (再読) キャランタリー氏の絵“エンプティ・プレイス”、絨毯織りの作業場、チャドルへの思い、サッカハーネ(水飲み場、祈りの場でもある)、トルクメン・サハラの天幕のような家、デルヴィーシュ(托鉢僧)、イマーのザーデ(聖廟)。 第一部(1985.86年):ホメイニの国への誘い/イスラムの中の「ペルシャ」/それぞれにとっての祖国 |