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「辞書になった男−ケンボー先生と山田先生−」★★☆ 日本エッセイスト・クラブ賞 | |
2016年08月
2014/03/12
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2013年NHKBSで放映されたドキュメント番組「ケンボー先生と山田先生〜辞書に人生を捧げた二人の男〜」がATP賞最優秀賞(情報・バラエティ部門)を受賞。本書は新たに内容を付け加えての、その書籍化だそうです。 その個性の違いは、両辞書が共に殆ど一人の編集者により制作され、その編集者の個性をそのまま表しているから、ということらしい。前者の編集者が見坊豪紀(ひでとし)=ケンボー先生、後者の編集者が山田忠雄先生なのだそうです。 三浦しをん「舟を編む」の面白さも忘れられませんが、本書はノンフィクション。我が国における国語辞書の変遷、辞書の編纂作業、辞書の抱える問題点等々も興味尽きませんが、ケンボー先生と山田先生という2人の人物像もそれ以上に興味尽きません。 常日頃から言葉の使い方に気をかけ、国語辞書を引いてみることの多い方(私もその一人ですが)にとっては、面白くて堪らないノンフィクションの逸品。お薦め!です。 はじめに−「光」と「影」/序幕−「三国」と「明解」/第1幕.「天才」と「助手」/第2幕.「水」と「油」/第3幕.「かがみ」と「文明批評」/終幕−「人」と「人」/おわりに−こ・と・ば |