中村吉右衛門著作のページ


1944年生、八代目松本幸四郎の次男。初代中村萬之助を名乗り、四歳で初舞台。母方の祖父・初代中村吉右衛門の養子となり、66年二代目を襲名。早稲田大学仏文科中退。著書に「半ズボンをはいた播磨屋」(淡交社)等あり。

 


 

●「吉右衛門のパレット」阿川佐和子・共著 ★★




2000年12月
新潮社刊
(1900円+税)

2001/01/27

20年余り中村吉右衛門さんの写真を撮り続けていたという稲越功一さんの写真吉右衛門さんと阿川佐和子さんの対談、という手軽な本です。
TV“鬼平”で大ファンとなった吉右衛門さんと、同じくファンの佐和子さんの対談があるからこそ、買って読みました。

とにかく、お2人の対談は楽しいです。佐和子さんというより、吉右衛門さんの持ち味なのでしょう。人前に出るのが苦手とか、しきりに「こんな顔だから...」「ちっとももてない」等々。
思いがけない言葉に、なるほど...と思わず肯きそうになり、可笑しくなります。いったい、どこまでが吉右衛門さんの本音であるのやら。
さりげなく、とぼけた感じのあるユーモア、軽やかな楽しさがあって私は好きです。そんな吉右衛門さんに乗せられて、佐和子さんの語り口もとても滑らか、という具合。
そんな対談の中で、歌舞伎の面白さもさりげなく案内しているのが、本書の良さです。

 


  

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