JAXA
(宇宙航空研究開発機構)編著作のページ



   

●「月のかぐや Kaguya on the Moon」● ★★

 

   
2009年11月
新潮社刊

(1300円+税)

 

2009/12/27

 

amazon.co.jp

2007年09月14日に打ち上げられ、09年06月11日月面に制御落下して役目を終えた、日本初の月周回衛星「かぐや」が撮影した数多くの月面写真+プロジェクトに関わった人たちのコメント等々という一冊。

“月”というと私が思い浮かべるのは、1969年中学生の時にTVに食いついて見たアポロ11号の月面着陸と、E・R・バローズのSF“月”シリーズ
米国が幾度かの月面着陸を成功させたアポロ計画を1972年に終了させた後は、いつの間にか月への関心が薄れていました。
しかし、本書の月面写真集を眺めていると、月の調査はまだ端緒に着いたばかり、地球以外の天体を調査するロマンは限りなく胸をワクワクさせるものであるということを、改めて感じました。
まずは論より証拠、是非本書を手にとってパラパラと頁をめくってみてください。
月という天体を観測する興奮が、手に取るように判る筈。

※表紙の写真は、月の南極にある直径21kmのクレーター「シャクルトン」。
クレーター内部は一年中光が当たらない「永久影」になっているシャクルトンは、NASAの探査機が90年代に水の氷の存在を示唆した月面基地の候補地だそうです。
今回かぐやの観測は、永久影の中を初めて鮮明な写真で捉え、氷の存在を明らかにした点で重要なものだったとのこと。
そうした科学的成果を別にして、このシャクルトンの写真、何とも神秘的で美しいものと感じられます。

月の名勝地をめぐる/かぐやプロジェクト/かぐやの科学的発見/さようなら、かぐや

   


 

to Top Page     to エッセィ等 Index