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「「山奥ニート」やってます。」 ★★ | |
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ヒキコモリとなって大学も中退という生活を送っていた筆者が、和歌山の山奥にある集落でニート生活へ。 それから現在までの5年間にわたる暮らしぶりを語ったエッセイ本。 ネットで知り合った仲間と2人で移住、それから仲間も増え、大勢でシェアハウス生活とか。 元校舎だった住居の家賃は無料、ブログの広告収入や、地元農家の収穫作業手伝いなどによる僅かな収入でも、月に必要な生活費は18,000円程なので十分やっていける由。 また、駅までは車で2時間もかかるような山奥、現金を使うような場所もなく、食事は自炊が基本。極めて健康的な生活を送っているという。 ※最近読んだばかりの加納朋子「二百十番館にようこそ」、離島で暮らし始めたニートたちの姿と重なるような気がします。 ニート・・・都会だからこそ“ニート”として脱落感を味わってしまうのかもしれません。 こんな山奥に来たら、ニートも何もないのでは、という気がします。 自分に無理をかけないように暮らす、都会生活は自分に無理をさせてばかり、と思います。 家に引きこもっているぐらいなら、思い切って無理なく暮らせる場所に移り住めばいいのでは、限界集落など格好の場所では、と感じさせられます。 都会で生きづらい思いをしていた若いひとたちと、人口減少に見舞われている限界集落の老人たちがこうして結びつくことができるのなら、幾つもの問題を解決できるのではないだろうか、と考える次第です。 どんなことがあっても、どのような場所であろうと、多くの人が幸せに生きられることを道が見つかればよいな、と思います。 その点でいろいろ考えさせられ、参考になる一冊です。 はじめに/1.山奥ニートとは/2.山奥ニート日記/3.山奥ニートの今まで/4.山奥ニートたち/5.山奥ニートのこれから/あとがき |