伊勢華子
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1973年生、東京都出身。高校時代に渡英して以来、メキシコでの海亀産卵パトロール、サハラ砂漠でのオアシスづくり等世界を巡る。学習院大学卒業、同大学院修士課程修了。

     


          

「健脚商売−競輪学校女子一期生24時− 




2015年12月
中央公論新社

(1500円+税)

 


2016/01/18

 


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題名通り、競輪学校に入学した女子一期生36人の内の数人に的を絞り、本人そして彼女に関わった人々へのインタビューを中心にまとめられたノンフィクション。

同じ競輪学校に入学したと言っても、自転車歴や入学動機、そして年齢も18歳〜49歳までと様々。
まぁ当然のことなのですが、それが一冊にまとまればそれなりの読み応えが出てくるものかと少々期待していたのですが、余りそうはならず。
競輪学校入学に至るまでの各人のドラマを、バラバラに読んだだけという思いだけが残ります。
何故かと言えば、競輪学校での出来事が何も語られていないからでしょう。もっとも、練習するだけで語るものがあるような学校ではないと言われてしまえばそうなのかもしれません。

なお、かつて昔、女子競輪が行われた時代があったそうです。
そのことが本書の冒頭
「小判の行方」で、当時女子競輪選手だったという老女2人の口から語られます。
地代は1949年からの16年程。ちょうど東京オリンピック前の頃。優勝すれば1日で数十万円(今にすれば数千万円)を稼ぐことができたというのですから、現在の女子競輪選手の状況はそれに較べるとかなり厳しいものがあるようです。
それなのに何故競輪選手を目指すのかについて知ろうと思えば、本書を読んでもらうのが一番でしょう。


小判の行方/アカギハルエの背中/ちいさな白い花/国道沿いの応援団/曲がり道の上手な曲がり方/居心地のいい部屋/倫敦経由長岡行/それからのライトスタッフたち

 


     

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