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1965年福岡県福岡市生、県立修猷館高校卒。保育士・ライター・コラムニスト。 音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、96年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務した後英国で保育士の資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年「子どもたちの階級闘争−ブロークン・ブリテンの無料託児所から」にて新潮ドキュメント賞、2019年「ぼくはエローでホワイトで、ちょっとブルー」にて第73回毎日出版文化大賞特別賞、Yahoo!第2回本屋大賞−ノンフィクション本大賞を受賞。 |
1.ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2.ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2 3.両手にトカレフ |
1. | |
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 ★★★ The Real British Secondary School Days 本屋大賞−ノンフィクション本大賞 |
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2021年07月
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著者は、アイルランド人の夫と息子と3人で英国のブライトン在住。 |
2. | |
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」 ★★ The Real British Secondary School Days 2 |
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2024年07月
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話題になった親子の成長物語、続編にして完結編とのこと。 |
「両手にトカレフ Tokarevs In Both Hands」 ★★☆ | |
2024年11月
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ブレイディみかこさん曰く、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」には出てこない、ノンフィクションの形では書けなかったティーンたちがいた。本作は、あの子たちを見えない存在にしたくないという思いから生まれた物語、とのこと。 14歳のミア、母親は薬物中毒で、生活保護費が入ると必要なものを買うより前に薬物に使ってしまう。おかげで貧乏、ミアも弟のチャーリーも、小さくなった制服を着続けている状況。 そのミアが図書館で出会ったのは、明治末から大正時代を生きたカネコフミコの自伝。 ミアと同様に、いやミア以上に苦難の道を歩んだカネコフミコの人生にミアは強く惹き込まれます。 それから現在のミアと、過去のフミコの苦難が並行して語られていきます。 またしても、親から受けられる筈の保護を受けられていない子どもたちの不幸、苦労を描いたストーリィ。 余裕がないから学校でも友達付き合いなどしていられない、弟チャーリーと引き離される不安があるから安易に大人に相談することもできない。 しかし、ミアの近くにその頑張りを知ってくれる人たちがいるのは、ミアにとって幸いだったと言えます。 そんなミアには、単に経済的な支援だけでなく、将来への希望を持てるようにすることが大切なのでしょう。 本ストーリィにおいてそれは、カネコフミコの自伝であるし、ミアがプリントの裏側に書いたリリックを凄いと感じ、一緒にラップを作ろうと声を掛けて来た同級生ウィルの存在でしょう。 最後、ミアの目の前に別世界の扉が開かれようとしているのを感じ、胸がときめくような思いがします。 お薦め。 ※金子文子は実在の人物。波乱の人生を歩んだ女性のようです。 1.ガール・ミーツ・ガール/2.別の世界の入口/3.子どもには選べない/4.貧しい木につくチェリー/5.母たち、娘たち/6.本当のことは誰にも言えない/7.リリックの伝説/8.子どもであるという牢獄/9.一緒に震える/10.あなたを助けさせて/11.ここから逃げる/12.ここだけが世界とは限らない/エピローグ |