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●「釣魚大全」● ★★
訳・解説:立松和平 |
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1996/10/01
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本書は、歴史的名著として知られる思索書。釣り師が語る釣りとは何ぞや、という会話の中に、人生の深い経験と知識を織り込めた一冊です。
革命が勃発し、チャールズ国王が処刑されるという騒然とした時代にあって刊行された書だけに、静かに人生に思いを馳せようとする著者の姿勢が強く印象に残ります。
ウォルトンのモットーは、「ただ謙虚に穏やかに満ち足りた気持ちで過ごすこと人こそが、幸いな人なのです。穏やかな気持ちでいれば、神も喜んでくださり、自分も幸せになれるというわけです」という言葉に象徴されます。そして、それを実践している人こそが釣り人なのだと、語るのです。 何が大切か、何が幸せかを、教えてくれるという面では、本書は少しも古書ではありません。 |