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Mark Vanhoenacker ブリティッシュ・エアウェイのパイロット。経営コンサルタントを経て2003年よりパイロット。

 


    

「グッド・フライト、グッド・ナイト−パイロットが誘う最高の空旅− ★★
 原題:"SKYFARING A Journey with a Pilot"      訳:岡本由香子


グッド・フライト、グッド・ナイト

2015年発行

2016年02月
早川書房刊
(1800円+税)

2018年12月
ハヤカワ文庫



2016/04/05



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著者は、父親が宣教師だったため一緒にアフリカのコンゴ等に住んでいたこともあるという経歴の所為か、大学院でアフリカ史を研究。しかし、空を飛びたいという気持ちを抑えきれず、まずはコンサルタント会社に就職(出張が多く飛行機に乗ることも多いだろうという動機だったらしい)して金を貯めてから、フライトスクールに入学、そしてついに念願のパイロットになった、という人物。
パイロットとして搭乗した機は、最初エアバスA320、次いでボーイング747 とのこと。

空、航空機という言葉を聞いただけでワクワクします。
旅立ち、遠く処へ、非日常空間、という思いがするからでしょうか。
私にとって空の旅は、いつも忘れ難いものです。
最初に旅客機に乗ったのは大学3年、北海道旅行の時。初めて国際線に乗ったのは27歳、ロンドンを皮切りにした西欧旅行の時。特に後者の空旅のことは今でも忘れられない思い出です。
(※FM東京「ジェットストリーム」も大好きな番組でした。)

同じ空の旅でも、乗客とパイロットでは、見る世界はきっと随分と違うのでしょう。
操縦席から見える景色、航空機操縦に関わる様々なこと、世界各地を訪れた経験等々、まるでパイロットを疑似体験しているような気分になります。
文学にあっては
サン=テグジュペリ「夜間飛行」「南方郵便機」が忘れ難い名作ですが、小説とエッセイという違いはあっても、本書はそれを継承する作品であると言って過言ではないと思います。

空を飛ぶことに対する著者の尽きない思いが伝わってきて、旅客機、空の旅が大好きな方であれば、大いに楽しめるに違いない一冊です。お薦め。

はじめに/Lift:持ち上げる、あがる、高まる/Place:場所、空間、住所/Wayfinding:進む方向を決めること/Machine:機械、装置、仕組み/Air:空気、大気、無/Water:水、海、川/Encounters:出会い、遭遇/Night:夜、闇/Return:帰る、戻る、復帰する

 


  

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