マイケル・ブース著作のページ


Michael Booth 英国サセックス生。トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト。2010年「ギルド・オブ・フードライター賞」を受賞。

 


    

「英国一家、日本を食べる」 ★★
 原題:"SUSHI AND BEYOND:What the Japanese know about Cooking" 訳:寺西のぶ子



 
2009年発行

2013年04月
亜紀書房刊
(1900円+税)

   

2013/12/31

  

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フードジャーナリストである著者が、親交ある日本人トシの言葉と彼から贈られた辻静雄著「Japanese Cooking:A simple Art」に触発され、ついに日本料理を見極めようと家族で来日。
妻ならびに6歳と4歳の息子2人を連れ、東京を皮切りに札幌〜京都〜大阪〜博多〜沖縄と北から南まで、そしてラーメンやお好み焼きといったB級グルメから超高級懐石料理店までと、3ヵ月間にわたり食べまくった日本料理探訪記&珍道中記。

本書の良さは、まず焼き鳥やラーメンといった庶民的な味からスタートするといったところに親しみが感じられる点でしょう。
私たちが日常、気楽に美味しく食べている日本的な品々を欧米人一家がどう感じ受け留めるのか、といった処には興味津々ですから。
これが最初から最後まで我々が一生食べる機会もないような超高級日本料理ばかり食べ回っていたら、おそらく鼻持ちならないと見向きもされなかったかもしれません。
また、フードジャーナリストである著者だけなら、理解しようと無理に料理を褒めるかもしれないところ、さすがに幼い子供たちは何の遠慮もありませんから、率直かつ感じたままに評価を下しているところが面白い。2人とも大のポケモン好き、最後には焼き鳥がすっかり好きになっていたというのも好感を感じるところ大です。

いずれにせよ本書、日本の味を外国人一家の視点から見、食し、感じる処を忌憚なく書き綴っているところが魅力。
かつての日本料理は健康的なものだったのでしょうけれど、現代日本人の食生活はかなり欧米化し、問題点も色々指摘されるようになりました。ですから著者のコメントは、一層新鮮に感じられます。妻と息子2人を連れての珍道中部分も勿論面白いことしきりです。

トシがくれた一冊の本(パリ)/新宿・思い出横丁(東京1)/相撲サイズになる料理(東京2)/世界的な有名番組(東京3)/特上級の天ぷら(東京4)/ふたつの調理師学校の話T/歌舞伎町のクジラ(東京5)/カニとラーメン(北海道1)/海藻のキング(北海道2)/町家に泊まる(京都1)/世界一美しい食事(京都2)/流しそうめん(京都3)/酒の危機(京都4)/鯖鮨と豆腐(京都5)/世界最速のファストフード(大阪1)/奇跡の味噌とはしご酒(大阪2)/ふたつの調理師学校の話U/博多ラーメン(福岡)/不死身でいたい?(沖縄)/究極の料理店(東京6)/エピローグ

 


  

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