1998年9月
NHK出版刊
(1600円+税)
1998/09/14
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著者のミッチ・アルボムは、偶然見たテレビで大学時代の恩師モリー・シュワルツ教授の姿を目にします。モリー先生は難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)にかかり、余命僅かとの宣告を受けていました。
そのTVがきっかけとなり、ミッチは16年ぶりに恩師を訪ねます。
それから毎週火曜日に、さまざまな人生の意味をモリー先生が答えるという二人だけの講義が続き、その記録がモリー先生指導による最後の論文として本書に結実した訳です。
こんな風に紹介すると、大きな感動を与えてくれるノンフィクションのように感じますが、私の印象は感動とはかなり違います。
あるがままの自分を受け入れ、今の境遇をそれなりに楽しみ味わっているモリー先生の姿は、むしろ淡々としていて、親しみ易さに溢れています。
誰もがいろいろな見栄、習慣を身につけていますが、それらを思いきって取り払うとこんなにも楽に死と向かい合うことができるのか。何の気取りもないモリー先生の姿からは、そんなことを感じます。
※なお、モリー先生自身の言葉は
「モリー先生の最終講義」として刊行されました。
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