月原 渉
(つきはらわたる)作品のページ


1978年神奈川県生。2010年「太陽が死んだ夜」にて第20回鮎川哲也賞を受賞し作家デビュー。

  


     

「月光蝶−NCIS特別捜査官− 


月光蝶画像

2013年04月
新潮社刊

(1700円+税)

  

2013/06/05

  

amazon.co.jp

横須賀を舞台にした、米軍基地内と基地外にまたがるミステリ。
深夜、暗がりの中で誰かが刺されたらしい現場を、通りがかりの女性が目撃する。そして翌朝、刺された人と同一人とみられる死体が、米軍基地内で発見される。しかも裸で磔にされて。
被害者は美人として評判だった広報担当士官=
ハンナ・ジョアキム中尉
基地内で捜査を担当するのは、
NCIS(米海軍犯罪捜査局)の特別捜査官=ケン・レアードと同僚のボビー・ジャクソン
一方基地外では、警察から依頼された横須賀市基地対策課特別室に所属する
泉水沙織(サオリ)と同僚の船居豊成
同じ日本国内の横須賀という街で起きた殺人事件でありながら、基地の外と内で事情は大きく異なります。いわば米国と日本の2ヶ国に跨ったようなもので、犯人が悠々と基地の内外を行き来するにもかかわらず、捜査側は日米ともに各々の領域と立場に拘束されている状況。しかも双方とも、警察のようなプロの捜査官ではないところがミソ。そして更なる殺人が・・・・。

“米軍基地”という名の密室事件というコンセプトで、如何にも興味惹かれるシチュエーションだったのですが、後半に入るとなんとなく事件の犯人が透けて見えてきた思いがしたうえに、事件の真相も呆気なく感じられました。

 


  

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