鈴木弘樹作品のページ


1964年静岡県生。中学卒業後、風俗誌記者等様々な職業につく。2001年「よしわら」にて新潮新人文学賞受賞、第126回芥川賞候補となる。

   


 

●「よしわら」● 

 

 
2002年4月
新潮社刊
(1300円+税)

2002/05/06

新潮新人文学賞受賞作品、芥川賞候補作品という案内文に惹かれて読んだのですが、正直言って捉え難い作品。
ひとつひとつの文章が長い、明確な切れ目無くダラダラ続く、そんな印象があります。

主人公は新米の風俗誌記者。入社後僅かでソープランド街の吉原支社に配属され、ソープランドの空き部屋に暮らしながら、風俗嬢たちを取材し続ける日々。
特定の風俗嬢、従業員に的を絞って深く描く、というストーリィではありません。
吉原という街で漂泊しながら、主人公と同じように漂泊する住人たちの様子を描き出す、そんな雰囲気の作品です。
読後には、侘しさが残ります。
夜にはネオンが煌々と輝く、一見華やかな歓楽街ですが、その正体は侘しいものでしかない、そういうことかもしれません。

 


  

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