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●「逸見(へみ)小学校」● ★★ |
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2011/08/17
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文壇デビュー以前に書かれた未発表作品。 戦争、そして「逸見小学校」という題名から、戦時中に小学生だった庄野さんと、年代も考えずに思ってしまいがちですが、もちろんそうではなく、海軍少尉だった庄野さんが率いる海軍庄野隊が、昭和20年 3月一時的に横須賀にある逸見国民学校に一ヶ月余り駐屯した時の体験を元に描かれたらしい作品。 冒頭、館山砲術学校から横須賀へ部隊の異動を命じられたにもかかわらず二日酔の所為で同行できず、別途単独で横須賀へ向かったり、逸見小学校内で部隊対抗のサッカーに興じたり、同じ将校仲間と「小公女」について語ったりと、敗戦間近の軍隊とは思えないような光景が繰り広げられます。 あいにく庄野作品については連載エッセイを多少読んだことがある程度で、作品をきちんと読んだことはないのですが、デビュー前作品とは思えない程完成度の高い作品です。 |