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1.猫弁 2.猫弁と透明人間 3.通夜女 |
●「猫 弁−天才百瀬とやっかいな依頼人たち【完全版】−」● ★ |
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※2012年03月
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当初「猫弁」は見送っていたのですが、「猫弁と透明人間」を読んだら割りと面白かったので、改めて読んだという次第なのですが、率直に言って余り面白いとは思いませんでした。 要は本作品、主人公である弁護士=“猫弁”こと百瀬太郎をはじめとする登場人物のキャラクターに面白さがあるのですが、既に「透明人間」を読んでしまっているのでキャラ割れ、それもあってストーリィ展開のテンポが遅い、あちこちに飛んでまどろっこしいと感じた故です。 猫弁であるが故に、大手有名弁護士事務所をドロップアウトしたが故に、百瀬の元には珍妙な依頼ばかりが持ち込まれます。 どうせ読むなら本書第一作から、とご忠告しておきます。 前頭葉のすきま/シンデレラの黒い靴/迷子の霊柩車/大福亜子の憂鬱/死体の身代金/黄色いドア |
●「猫弁と透明人間」● ★☆ | |
2013年02月
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“猫弁”シリーズ第2弾。 主人公は“猫弁”と異名をとる弁護士=百瀬太郎、39歳。 本書の印象は、相当にマンガチックなストーリィだなぁ、ということ。小説より明らかにTVドラマ向けだなと思ったところで、前作はそもそもTBS・講談社のドラマ大賞受賞作だったことに気づきました。TVドラマ向けであるのもそりゃあ当たり前というところ。 |
「通夜女(つやめ)」 ★★ | |
2022年09月
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挫折、その結果ヒキコモリ、そして再生というストーリィ、今や数多くありますが、立ち直りのきっかけが<通夜>というのはかなりシュール。 主人公は仁科小夜子・24歳。ずっと順調に過ごしてきたのに就職面接で「話にならない」「何がやりたい、何ができますって、言えないの」と言われたのがショック。就職活動を続ける気力も折られ、そのまま卒業、家にヒキコモリという状況。 弟の結婚式の帰り、ふと誘われるように通りがかりの家の通夜に招き入れられ、その雰囲気に得も言われぬ安堵感を覚えます。 それ以来、あちこちと他所の通夜に行くことが趣味に。 そこでいつも出会う相手は、ケーキ屋の営業マン、そして小柄な老女の“通夜女(つやめ)”。 都市伝説であるらしい通夜女、通夜に群がる様々な人物たちと関わるうち、僅かながらも次第に小夜子の心に変化が生まれていきます・・・。 通夜自体にそうドラマがある訳ではありません。 むしろ、小夜子にとっては、通夜女、ケーキ屋の営業マン、通夜専門のコンパニオン派遣会社を起業した女性=西めぐみ、幼馴染の赤井理香子と、皆それぞれ思い通りにいかない中で奮闘していることを知っただけでも、意味があったのではないでしょうか。 一度足を止めることがあっても、再び歩き出すことができれば良いですよね。 香とイクラ/ならず者/矢印に導かれて/五千円/ほくろの婆さん/骨壺プリン/通夜レディ/なま土下座/ポケットティッシュ/太陽/ごめんで済むなら/卒業/六年後/犬 |