大森葉音
(はのん)作品のページ


1965年北海道岩内町生、北海道大学文学部卒。会社員や予備校講師等を経て、2000年本名の大森滋樹名義で「物語のジェットマシーン−探偵小説における速度と遊びの研究−」を第7回創元推理評論賞に投稿し、佳作入選。以後ミステリー評論家として活躍。2013年初の小説作品として「果てしなく流れる砂の歌」を刊行。

  


     

「果てしなく流れる砂の歌 


果てしなく流れる砂の音画像

2013年10月
文芸春秋刊

(1350円+税)

  

2013/11/24

  

amazon.co.jp

異世界を舞台にした冒険(?)ファンタジー。

超大国<象の胃袋>の属国となり、砂漠の小国<朱雀の翼>侵略の連合軍に加わった<銀の狼>軍の少尉クレーメル。彼は、結婚寸前にして婚約者サリーネに象の貴族の娘と駆け落ちされたという心の痛手を抱えていた。
突然、朱雀の民の結婚式に向けて発砲し始めた象軍を留めるため象軍を攻撃したクレーメルは、軍法会議で銃殺刑を宣告される。彼に従うのは忠実な部下、少年兵ムルカのみ。
処刑を待つクレーメルの頭の中に突然、
<弟>と名乗る声が聞こえる。その声は、別の何者かに憑依している<姉>を倒す為力を貸してほしいとクレーメルに交渉してくる。
そこから始まるファンタジー冒険物語。

人間の歴史以前に遡る時代から始まる<父母>の争いに端を発した<弟>と<姉>と争い。壮大な物語と言うべきなのかもしれませんが、どうもピンと来ず。
またクレーメル自身、主人公にしては毅然さが不足していて、どうも物足りず。
出版社の紹介文には「壮大なスケールで展開される異世界ファンタジーの傑作」とありますが、率直に言って私としては期待外れという思いです。

 


  

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