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「タイタン TITAN」 ★★ | |
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2205年の未来社会、すべてのロボットを統合したAI=“タイタン”によって人類は仕事から解放され、暮らし全てについてタイタンのサポートが得られるという、極めて安楽な世界。 世界の12拠点に分けて設置された12基のタイタンはあらゆるロボット等に繋がり、協力して全世界をコントロールする仕組み。 そうした社会で生きる26歳の女性心理学博士=内匠成果は、講演を行ってもそれはもはや仕事ではなく、趣味に過ぎない。 その成果が罠に嵌められ、脅迫されて仕事をすることを命じられます。その仕事というのは、カウンセリング。 その相手は何と、第二知能拠点(北海道弟子屈)に設置されたタイタン<コイオス>。そしてその目的はというと、最近動きが不安定になっているコイオスを治療し、問題を解決すること。 管理責任者だというナレイン、ベックマン博士、エンジニアの雷と協力し、内匠は人格を与えられエアリアルの少年姿で登場したコイオスと対話を始めるのですが・・・。 野崎さんが描き出したのは、壮大な未来社会。 そしてそのストーリィ展開はというと、SFに留まらず、古今東西のあらゆる空想物語から道具立てを引っ張って来た、と言えるもの。これが本当に凄い、圧倒されるばかりです。 その一方、本物語のテーマは何かというと、「仕事とは何か」という現代にも共通する問題。 壮大な構想の一方で、哲学討論、旅を通じての成長物語、そして自立・・・。 SFという枠にとらわれない自由さ、奔放さが、本作の魅力と思う次第です。SFファンには是非お薦め。 1.就労/2.傾聴/3.休暇/4.旅路/5.対面/6.仕事/エピローグ |